加藤特許事務所

「調査料還元システム」導入のきっかけ

25 June

当所では「当事務所の特徴」に掲げている「調査料還元システム」を導入している。導入のきっかけは顧客企業の社長の一言だった。

従来より、依頼者から特許出願の依頼があったときは、特に断りもなく先行技術を調査している。調査には特別の調査ツールを使うわけでなく、特許庁のデータベース(従来のIPDL、現在は特許情報プラットフォーム)を使う。厳密な調査ではないので、特に調査料を請求することもなく、自主的に調査を行っていた。厳密な調査ではないといっても、長年の経験と調査にかける時間から、結構精度の高い調査ができていると思う。

調査の結果、依頼案件の特許性を脅かす先行技術が発見されなかったときは、そのまま特許出願書類の作成を行い、特許出願に至る。ところが、特許性を脅かす先行技術が発見されたときは困ったことが起こる。発見された先行技術を依頼者に示すと、「それじゃあ、諦めます」ということになる。そうなると、調査に結構な時間を使っていても後からでは請求しにくい。結果、ただ働きになる。そんなことが度重なると、特許性を脅かしそうな先行技術が発見されたときに、「見なかったことにしようか」と一瞬悪魔がささやく。それでも、居心地の悪さから、最後にはなんとか善良な心が勝って、ほっとする。

あるとき、顧客企業の社長との新規案件の打合せ時に、グチっぽくこのことを話したら、「そんなやり方はだめだよ」と言われた。「今回の依頼案件は先に調査料を請求して。出願する場合はその分を出願手数料から引いてくれればいい。出願を断念する場合はそのままでいいから」と言ってくれて、先に調査料を請求させてもらった。調査の結果、類似技術が発見されて、結局社長は出願を断念した。しかし、既に調査料は請求させてもらっているから、ただ働きにはならなかった。

なるほど、これはいいやり方だ。依頼者にとっては、特許を取ることに期待を持っている調査前の請求は抵抗が少ないし、出願に至れば調査料は還元されてタダになる。当方にとっては、出願に至らなくてもただ働きにならなくて済む。そんなことがきっかけで、「調査料還元システム」を導入するに至った。

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