加藤特許事務所

特許の抜け道を塞ぐ

13 July

特許出願の仕事をしていて一番難しいと思うことは、拒絶理由を克服して特許を取ることでなく、いかにして依頼者のライバル企業に抜け道を与えずに特許を取るかということである。特許を取っても、ライバル企業に抜け道を与えて回避実施されてしまっては、特許の価値がなくなるし、場合によっては依頼者を紛争に巻き込ませることになる。

抜け道を塞ぐために、特許明細書作成時に、発明者から提示された実施形態に基づいて回避実施設計を考えたり、発明者や知財担当者に回避実施設計の可能性を聞く。例えば「ここの形は丸でなく四角でもいいのでは」「この部品はこちら側でなく反対側に付けてもいいのでは」「ここは固定することなく引っ掛けるだけでもいいのでは」等を回避実施設計として考える。そして、考え得るすべての回避実施設計を含むように特許の範囲を定める。それでも、ライバル企業は使いたい技術であれば回避実施設計を必死に考えるから、果して定めた特許の範囲でそのライバル企業のチャレンジに耐え得るかどうか不安が残る。「特許抜け道探索アプリ」でもあれば苦労はしないのだが・・・。

結局、特許請求の範囲の一語一語について、特許を取るために真に不可欠な文言かどうか、あるいはより広い概念の言葉に置き換えられないか等を検討し、また考え得るすべての回避実施設計が特許の範囲に含まれるかどうかを確認して、抜け道を一つずつ着実に塞いでいくしか特許の抜け道を塞ぐ方法はないと思う。

トップへ戻る